血便・粘液便・便の色と病気

生牛肉を食べたり、牛や羊に触れた後、１〜１４日後に激しい腹痛と水様下痢になったとき(それから、１，２日後に鮮血便になる)

⇒腸管出血性大腸菌感染症の疑いがある。⇒ 食材別食中毒の防ぎ方

便に新しい血(鮮血)が混じっていたり、表面に血が付着している

切れ痔(裂肛)やいぼ痔(痔核)の疑いがある。市販の痔治療用軟膏などで治療可能の場合が多いが、市販の軟膏治療薬では出血の止まりが遅いことがある

突然、便が赤くなった、大量に出血した

大腸憩室からの出血の疑いがある。憩室は腸壁が外側に飛び出して袋状になったもの

粘血便が出る(ねばねばした液の中に血液が混じっている)

• 約２歳以下の幼児では、腸重積症の疑いがある。腸重積症では、腹痛や嘔吐が繰り返し、血便は腹痛が始まってから２〜１０時間後に出る。至急、総合病院か小児科、外科を受診が必要です。
• １０代、２０代では、潰瘍性大腸炎の疑いがある。⇒ 潰瘍性大腸炎詳細を参照
• 上記以降の年代では、潰瘍性大腸炎の他に、結腸・直腸癌が考えられる。便意があっても出難くなり、病変が進行すると右下腹部が痛み出す。⇒ 結腸癌・直腸癌詳細を参照

便の色が黒褐色または黒赤色になる(鉄剤を飲むと便の色が黒くなるのでこの場合は異常ではない)

• 胃・十二指腸潰瘍が疑われる。この疾患では、胸焼け、空腹時または食後２〜３時間後にみぞおちが痛むことがある。⇒ 胃・十二指腸潰瘍を参照
• 胃癌の疑いがある。胃ガンの出血の場合には血液が肉眼では見えないことが多い。胃ガンの他の症状は、みぞおちの痛み、胃部膨満感、空腹時の痛み、更に肉類や脂肪が多い食物が嫌いになるなど。
• 食道癌が疑いがある。食道癌では、食後に胸にしみる感じを訴えることが多い。⇒ 食道癌の自覚症状と予防法を参照

便の中に赤黒い血液が混じっている。または、肉汁のような下痢をする

• 大腸潰瘍の疑いがある。⇒ 潰瘍性大腸炎を参照
• 大腸癌の疑いがある。大腸癌では、血の混じった便が細く、粘液混じりのドロッとしたものが出る
• 腹部に鈍痛や下痢と便秘が交互に来ることがある。便秘に多い症状だが、結腸癌・直腸癌の疑いもある。
  ⇒ 便秘とはを参照,⇒ 結腸癌・直腸癌を参照

大便の色は白っぽく、粘土状。黄疸、発熱、腹痛などがある。(ただし、胃薬に入っている珪酸アルミニウムで便が銀白色になることがある)

• 閉塞性黄疸の疑いがある。この疾患は、胆管に出来た腫瘍や胆石によって胆管が塞がれ、 胆汁が十二指腸に流れることが出来なくなるものだが、多くの場合、血液に胆汁が混入して黄疸症状が出る

便の色は白っぽい、または灰色で、牛乳状の便。更に発熱や下痢、嘔吐、腹痛を伴う

• コレラの疑い
• パラチフスＢの疑い
• 食中毒の疑い
• 劇症重金属中毒の疑い
• 小児の場合は、仮性小児コレラ、白色便性消化不良症の疑い。⇒乳幼児の発熱,受診が必要な病状を参照

便から腐敗臭がする(ただし、肉食が多いときは病気でなくても腐敗臭がする可能性がある)

• 膵臓炎の疑い。⇒ 膵炎を参照。⇒ 膵臓癌を参照
• 慢性腸炎の疑い
• 進行した直腸癌などの疑い。⇒ 直腸癌を参照

便から酸っぱい臭いがする

バターか卵黄状の色の下痢に腹痛を伴う

• 膵臓障害の疑い
• 脂肪の消化不良の疑い

緑色や暗緑色の下痢、腹痛を伴う

• 小腸炎の疑い
• 食中毒の疑い
• ブドウ菌性腸炎の疑い
• 赤痢の回復期