心電図：幅の広いＱＲＳ波が３連発以上現れる

心室頻拍

先ず、心臓マッサージ中には幅が０.１２秒より大きいＱＲＳ波が連発で現れます。
心臓マッサージを止めれば本来の心電図が現れるのですが、高さの変化が無く、時間軸だけ流れたら(横の直線)・・・
医療系テレビドラマなどではしばしば出てくるシーンですが、実際、肉親の死を見せられると何とも言えない時間の流れを感じるものです。

• Ｐ波が先行しない幅が広いＱＲＳ波が３連発以上続き、先行するＱＲＳ波のＴ波に重なる
• Ｐ波ははっきり確認できない
• Ｔ波の高さは幅の広いＱＲＳ波とは逆向き
• ＰＰは正常(６０〜１００回/分)
• ＱＲＳ波の回数は幅の広いものを含めて、１００回/分以上
• ＰＱ間は正常(正常なＱＲＳ波のみ　０.１２秒以上０.２秒以下)
• ＱＴ間隔は正常

心室頻拍(VT: ventricular tachycardia)の疑いがあります。
血圧が保たれていない場合は直ちに救命処置をする必要があります。
血圧が保たれていても、心室細動に移行したり、血圧が低下することがあるので、除細動の準備をして監視する必要があります。
原因疾患は、虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症、先天性心疾患、電解質異常などです。

トルサド・ド・ポアン

• 幅の広いＱＲＳ波が３連発以上続く
• 幅の広いＱＲＳ波の波形は多角性
• 幅の広いＱＲＳ波にはＰ波は先行しない
• 幅の広いＱＲＳ波の波形は周期的に変化し、基線を中心にねじれながら回転しているように見える
• Ｒは、毎分１００回以上

トルサド・ド・ポアン(Torsades de pointes)の疑いがあります。
トルサド・ド・ポアンは心室頻拍の一種なので、血圧が保たれていなければ直ちに救命処置を行い、 血圧が保たれていても血圧低下や心室細動に移行する可能性があるので除細動の準備をして変化を注視する必要があります